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◆◇◆ 腰痛・肩こりによい漢方薬 ◆◇◆
疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)
【働き】
「疎経活血湯」という方剤です。血行や水分循環を改善し、また痛みを発散して治します。その作用から関節痛や神経痛、腰痛や筋肉痛などに適応します。体力が中くらいの人で、皮膚が浅黒く、時に浮腫をともない、足腰が冷えて痛むときに適します。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。疎経活血湯には、痛みをとるもの、血行によいもの、あるいは無駄な水分を取り除く生薬がいろいろと配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
当帰(トウキ)/芍薬(シャクヤク)/地黄(ジオウ)/蒼朮(ソウジュツ)/白朮(ビャクジュツ)/茯苓(ブクリョウ)/桃仁(トウニン)/牛膝(ゴシツ)/陳皮(チンピ)/防己(ボウイ)/防風(ボウフウ)/竜胆(リュウタン)/白し(ビャクシ)/生姜(ショウキョウ)/威霊仙(イレイセン)/羌活(キョウカツ)/甘草(カンゾウ)
【特徴】
「疎経活血湯」の“経”は血液や水分の経路のことで、その経路の疎通をよくして、血液循環・水分代謝を活発にするという意味がこめられます。明時代の「万病回春」という古典書で紹介されている処方です。適応証(体質)は、中間証(体力中くらい)、寒証(冷え)、血虚(貧血・血行不良)、湿証(水分停滞)となります。
【効能】
腰痛・神経痛・筋肉痛・関節痛
葛根湯(カッコントウ)
【働き】
発汗作用があり、体の熱や腫れ、あるいは痛みを発散して治します。病気の初期で、比較的体力のある人に向いています。具体的には、カゼのひき始めでゾクゾク寒気がするとき、また、腰痛・肩こり・筋肉痛・頭痛・じん麻疹などにも適応します。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。葛根湯は、主薬の葛根をはじめ、下記の7種類の生薬からなります。薬理的に重要な役割をする麻黄には、交感神経刺激薬のエアェドリン類が含まれます。この成分は、西洋医学の気管支拡張薬と同様の作用を示し、咳やゼイゼイする喘鳴をおさえます。そのほか、おだやかな発汗・発散作用のある桂皮、腰痛・肩こりをやわらげる芍薬などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
葛根(カッコン)/麻黄(マオウ)/桂皮(ケイヒ)/芍薬(シャクヤク)/甘草(カンゾウ)/大棗(タイソウ)/生姜(ショウキョウ)
【特徴】
葛根湯は、もっとも親しまれている漢方薬です。カゼのほか、腰痛・肩こり・頭痛などに広く用いられています。漢時代の「傷寒論」という古典書で紹介されている処方です。方剤構成から麻黄剤に分類されます。漢方薬理的には、辛温発表剤部類です。適応証(体質)は、表証(急性期)、寒証(悪寒)となります。
【効能】
腰痛・肩こり・感冒・鼻かぜ・頭痛・発熱・悪寒・筋肉痛・手や肩の痛み
桂枝加葛根湯(ケイシカカッコントウ)
【働き】
体の熱や腫れ、あるいは痛みを発散して治します。具体的には、カゼのひき始めで、腰痛・肩こり・頭痛を伴うときに適応します。自然に汗が出やすく、体力のあまりない人に向く処方です。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。桂枝加葛根湯は、主薬の桂枝(桂皮)をはじめ、下記の6種類の生薬からなります。おだやかな発汗・発散作用のある“桂皮”筋肉のこわばりをとる葛根腰痛・肩こりなどを和らげる芍薬体をあたためる生姜、緩和作用のある甘草などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
桂皮(ケイヒ)/葛根(カッコン)/芍薬(シャクヤク)/生姜(ショウキョウ)/大棗(タイソウ)/甘草(カンゾウ)
【特徴】
基本処方である桂枝湯に、葛根を加えたものです。方剤名の由来もそこにあります。カゼ薬で有名な葛根湯から、麻黄を抜いた処方ということもできます。適応証(体質)は、表証(急性期)、虚証(虚弱)、寒証(悪寒)となります。桂枝湯の証で、腰痛・肩こり・頭痛を伴うときに適します。また、カゼで発汗のひどいときは、葛根湯よりも、桂枝加葛根湯を用いるべきです。
【効能】
身体虚弱なものの風邪の初期で、腰痛・肩こり・頭痛のあるもの。
葛根加朮附湯(カッコンカジュツブトウ)
【働き】
発汗作用があり、体の熱や腫れ、あるいは痛みを発散して治します。体がゾクゾクし、冷えて痛むときに向いています。具体的には、腰痛・肩こり・筋肉痛・神経痛・上半身の関節リウマチ、頭痛などに適応します。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。葛根加朮附湯は、主薬の葛根をはじめ、下記の9種類の生薬からなります。薬理的に重要な役割をする麻黄には、交感神経刺激薬のエアェドリン類が含まれます。そのほか、おだやかな発汗・発散作用のある桂皮、痛みをやわらげる芍薬、無駄な水分を除く蒼朮、体をあたためる附子などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
葛根(カッコン)/麻黄(マオウ)/桂皮(ケイヒ)/芍薬(シャクヤク)/甘草(カンゾウ)/大棗(タイソウ)/生姜(ショウキョウ)/蒼朮(ソウジュツ)/附子(ブシ)
【特徴】
葛根湯に蒼朮と附子を加えた方剤で、より寒証、湿証向けです。方剤構成から麻黄剤に分類されます。漢方薬理的には、辛温発表剤の部類です。適応証(体質)は、表証(急性期)、中間証(体力中くらい)、寒証(悪寒)となります。
【効能】
悪寒発熱して、頭痛があり、項部・肩背部に緊張感あるものの次の諸症。肩こり、肩甲部の神経痛、上半身の関節リウマチ。
大柴胡湯(ダイサイコトウ)
【働き】
体の熱や炎症をとり、機能の亢進をしずめます。また、痛みをやわらげたり、便通もつける作用もあります。体力のあるガッチリタイプで便秘がち、ミゾウチから肋骨下部が強く張っている人に向く処方です。具体的には、肝臓や胆のうの病気、胃腸の病気、便秘や痔、あるいは高血圧にともなう頭重感や肩こり・めまい・耳鳴りなどに適応します。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。大柴胡湯は、主薬の柴胡をはじめ、下記の8種類の生薬からなります。“柴胡”と“黄ごん”の組み合わせにより、炎症をしずめる効果が高まります。半夏と枳実は、胸のつかえ感や吐き気をおさえ、また気分を落ち着けるのに役立ちます。そのほか、便通をつける大黄、痛みをとる芍薬などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
柴胡(サイコ)/黄ごん(オウゴン)/半夏(ハンゲ)/枳実(キジツ)/大黄(ダイオウ)/芍薬(シャクヤク)/生姜(ショウキョウ)/大棗(タイソウ)
【特徴】
実証タイプに用いる代表的な方剤です。胸脇苦満のあることも大事な条件です。構成生薬からは「柴胡剤」に分類され、中間証用の小柴胡湯とともによく使われています。漢時代の「傷寒論」および「金匱要略」という古典書で紹介されている処方です。適応証(体質)は、実証(体力充実)、熱証(炎症)、胸脇苦満(肋骨下部の張り)となります。
【効能】
腰痛・肩こり・胆石症・胆のう炎・黄疸・肝機能障害・高血圧症・脳溢血・じんましん・胃酸過多症・急性胃腸カタル・悪心・嘔吐・食欲不振・痔疾・糖尿病・ノイローゼ・不眠症
柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)
【働き】
体の熱や炎症をひき、また痛みをやわらげる働きをします。少し体力が落ちている人で、ミゾウチから肋骨下部が張り胸苦しさのある人に向きます。具体的には、長びくカゼで微熱や頭痛・食欲不振をともなうときに、また、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胆石、肝炎など上部消化器系の病気にも適応します。【組成】漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。柴胡桂枝湯は、主薬の“柴胡”と“桂枝(桂皮)”をはじめ、下記の9種類の生薬からなります。“柴胡”と“黄ごん”の組み合わせにより、炎症をしずめる効果が高まり、桂皮は熱や痛みを発散させます。“半夏”は胸のつかえ感や吐き気をおさえる生薬です。そのほか、痛みをとる芍薬、滋養作用のある人参、炎症や痛みを緩和する甘草などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
柴胡(サイコ)/桂皮(ケイヒ)/黄ごん(オウゴン)/半夏(ハンゲ)/芍薬(シャクヤク)/人参(ニンジン)/甘草(カンゾウ)/生姜(ショウキョウ)/大棗(タイソウ)
【特徴】
基本処方である小柴胡湯と桂枝湯を合わせた処方です。漢時代の「傷寒論」および「金匱要略」という古典書で紹介されています。方剤構成から柴胡剤に分類されます。適応証(体質)は、中間証〜虚証(体力中くらい以下)、胸脇苦満(肋骨下部の張り)を目安とします。
【効能】
腰痛・肩こり・関節痛・頭痛・神経痛・感冒・胃痛・腹痛・胆嚢炎・胃酸過多症
桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)
【働き】
胃腸の機能を高めるほか、頭痛をおさえ心臓のドキドキ感をしずめる効果が期待できます。冷え症で顔色が悪く、体力のあまりない人に向きます。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。桂枝人参湯の構成生薬は、胃腸によい下記の5種類の生薬です。桂皮には、健胃作用のほか発散作用があり、頭痛や動悸にもよいとされます。そのほか、滋養強壮作用のある人参、緩和作用のある甘草などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
桂皮(ケイヒ)/人参(ニンジン)/蒼朮(ソウジュツ)/白朮(ビャクジュツ)/乾姜(カンキョウ)/甘草(カンゾウ)
【特徴】
人参湯に、発散作用のある桂皮を加えたものです。漢時代の「傷寒論」という古典書で紹介されている処方です。適応証(体質)は、虚証(虚弱)、寒証(冷え)となります。
【効能】
腰痛・肩こり・頭痛・冷え性
二朮湯(ニジュツトウ)
【働き】
肩こりの痛みをやわらげるのに用います。正式な適応症は肩こりです。体力が中くらいか、少し弱い人に向く処方です。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。二朮湯には、痛みをとる生薬を中心に、水分循環をよくするもの、胃腸の働きをよくするものなど、いろいろな生薬が配合されています。それらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
蒼朮(ソウジュツ)/白朮(ビャクジュツ)/茯苓(ブクリョウ)/黄ごん(オウゴン)/半夏(ハンゲ)/香附子(コウブシ)/陳皮(チンピ)/威霊仙(イレイセン)/天南星(テンナンショウ)/きょう活(キョウカツ)/生姜(ショウキョウ)/甘草(カンゾウ)
【特徴】
二朮湯の名前は、蒼朮と白朮の2種類の生薬が入っていることから名付けられました。明時代の「万病回春」という古典書で紹介されている処方です。適応証(体質)は、中間証〜やや虚証(体力中くらい)、湿証(水分停滞)となります。
【効能】
腰痛・肩こり・関節痛
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
【働き】
漢方では、血行障害や鬱血をお血(おけつ)と呼んで重視します。女性の月経トラブルやいやゆる血の道症には、このお血を改善する漢方薬がよく使われます。その代表が桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)です。血行をよくして熱のバランスを整えることで、のぼせや冷えを改善し、子宮などの炎症をしずめます。また、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。どちらかというと女性向けで、体格がわりとしっかりした赤ら顔の人に向きます。具体的には、生理不順や生理痛、頭痛、めまい、肩こり、のぼせ、足の冷えなどに適応します。また、そのような諸症状をともなう更年期障害にも適します。そのほか、ニキビやシミ、しもやけ、痔、打ち身などにも用いられます。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。桂枝茯苓丸の構成生薬は下記の5種類です。桂枝(桂皮)には健胃作用のほか発散作用があり、のぼせや頭痛によいとされます。芍薬は痛みをとる代表的な生薬です。そのほか、気分を落ち着け余分な水分を取り除く茯苓血液循環をよくする桃仁牡丹皮などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
桂皮(ケイヒ)/芍薬(シャクヤク)/茯苓(ブクリョウ)/桃仁(トウニン)/牡丹皮(ボタンピ)
【特徴】
お血に対する代表的な方剤で、よく処方されている漢方薬です。漢時代の「金匱要略」という古典書で紹介されています。適応証(体質)は、中間証(体力中くらい)、お血(血流停滞)となります。
【効能】
腰痛・肩こり・めまい・頭重・打ち身・打撲症・しもやけ・しみ・更年期障害・血の道症
加味逍遙散(カミショウヨウサン)
【働き】
漢方では、血流の異常をお血(おけつ)および血虚(けっきょ)という概念でとらえます。お血は血流停滞、血虚は血流不足とみなせます。女性の月経トラブルやいやゆる血の道症には、そのような血流の異常を改善する方剤が使われます。その一つが加味逍遙散(カミショウヨウサン)です。血液循環をよくして体をあたためる一方、のぼせなど上半身の熱をさまします。また、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。どちらかというと女性向けで、体が虚弱で疲れやすく、イライラや不安感をともなうときに向きます。具体的には、手足の冷え、のぼせ、生理不順や生理痛、頭痛、腰痛、肩こり、けん怠感、不眠、神経症などに適応します。また、そのような症状をともなう更年期障害や自律神経失調にも好適です。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。加味逍遙散には、血流をよくして体をあたためるもの、上半身の熱をさますもの、痛みをやわらげるもの、無駄な水分を取り除くもの、あるいは滋養作用をもつ生薬などがいろいろと配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
柴胡(サイコ)/芍薬(シャクヤク)/蒼朮(ソウジュツ)/当帰(トウキ)/茯苓(ブクリョウ)/山梔子(サンシシ)/牡丹皮(ボタンピ)/甘草(カンゾウ)/生姜(ショウキョウ)/薄荷(ハッカ)
【特徴】
よく処方される漢方薬の一つです。宋時代の「和剤局方」という古典書で紹介されています。適応証(体質)は、虚証(虚弱)、寒証(冷え)、湿証(水分停滞)、お血(血流停滞)、気上衝(のぼせ・イライラ・緊張・不安)となります。
【効能】
体質虚弱な婦人で腰痛、肩こり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症。冷え症・虚弱体質・月経不順・月経困難・更年期障害・血の道症
八味地黄丸(ハチミジオウガン)
【働き】
体の弱った機能をおぎない元気をつけます。ことに、足腰や泌尿器など下半身の衰えに最適です。一般的に高齢の人に用いることが多く、体力が低下し、顔色もすぐれず、冷えをともなうときに向きます。「臍下不仁」といって、オヘソから下の下腹部がフニャフニャと力がないことも使用目安です。具体的には、足腰の痛みやしびれ、腎機能低下にともなう夜間頻尿、性機能低下、乾燥肌のカユミや湿疹などに用います。また、そのような症状をともなう前立腺肥大症や糖尿病にも適応します。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。八味地黄丸は、その名が示すよう、主薬の地黄を中心に下記の8種類の生薬からなります。地黄には、貧血症状を改善し元気をつける作用があります。“山茱萸”や“山薬”にも滋養強壮作用があり、地黄の働きを高めます。“茯苓”と“沢瀉”は、水分循環をよくする生薬です。牡丹皮は漢方でいう「お血(おけつ)」を治す生薬で、血行障害を改善し血のめぐりをよくします。さらに、体をあたため痛みをとる桂皮と附子が加わります。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
地黄(ジオウ)/山茱萸(サンシュユ)/山薬(サンヤク)/茯苓(ブクリョウ)/沢瀉(タクシャ)/牡丹皮(ボタンピ)/桂皮(ケイヒ)/附子(ブシ)
【特徴】
虚証(虚弱)であることを条件に、高齢の人に広く用いられています。八味丸または八味腎気丸と呼ばれることもあります。漢時代の「金匱要略」という古典書で紹介されている処方です。適応証(体質)は、虚証(虚弱)、寒証(冷え)、臍下不仁(下腹部脱力)となります。
【効能】
下腹部軟弱、腰に冷痛あり、尿利減少または頻数で、全身または手足に熱感あるものの次の諸症。腰痛・五十肩・肩こり・慢性腎炎・糖尿病
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)
【働き】
血行をよくして、体をあたためる作用があります。また、冷えによる痛みをやわらげます。具体的には、しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛、肩こりなどに適応します。冷え症で、とくに手足の冷えが強く、体力のあまりない人に向く処方です。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。当帰四逆加呉茱萸生姜湯の構成生薬は、下記の9種類です。“当帰”には、血行をよくして、体をあたためる作用があります。“桂皮”と“芍薬”は痛みをとる代表的な生薬です。そのほか、体をあたため痛みを緩和する“細辛”、“呉茱萸”、“生姜”、水分循環をよくする“木通”などが配合されます。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
当帰(トウキ)/桂皮(ケイヒ)/芍薬(シャクヤク)/細辛(サイシン)/呉茱萸(ゴシュユ)/生姜(ショウキョウ)/木通(モクツウ)/大棗(タイソウ)/甘草(カンゾウ)
【特徴】
「当帰四逆湯」に、温性薬の“呉茱萸”と“生姜”を加えたものです。方剤名の由来もそこにあります。四逆とは四肢の冷え症状をあらわします。漢時代の「傷寒論」という古典書で紹介されている処方です。適応証(体質)は、虚証(虚弱)、寒証(冷え)となります。
【効能】
腰痛・肩こり・冷え症・貧血・頭痛・胃部圧重感、または下腹痛があって凍傷にかかりやすいもの。凍傷・慢性頭痛・坐骨神経痛・婦人下腹痛
五積散(ゴシャクサン)
【働き】
血行や水分循環を改善し、また胃腸の働きを高めて、体の冷えや痛みを治します。具体的には、腰痛、関節痛、神経痛、生理痛、胃腸炎などに用います。体力が中くらいの人で、冷えて痛むときに適します。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。五積散には、痛みをとるもの、胃腸によいもの、血行をよくするもの、あるいは無駄な水分を取り去るものなど、いろいろな生薬が配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
蒼朮(ソウジュツ)/陳皮(チンピ)/当帰(トウキ)/半夏(ハンゲ)/茯苓(ブクリョウ)/甘草(カンゾウ)/桔梗(キキョウ)/枳実(キジツ)/桂皮(ケイヒ)/厚朴(コウボク)/芍薬(シャクヤク)/生姜(ショウキョウ)/川きゅう(センキュウ)/大棗(タイソウ)/白シ(ビャクシ)/麻黄(マオウ)
【特徴】
五積とは「気・血・痰・寒・食」が滞っていることを意味し、五積散はそれらのめぐりを改善するために考えだされました。宋時代の「和剤局方」という古典書で紹介されている処方です。適応証(体質)は、中間証(体力中くらい)、寒証(冷え)、湿証(水分停滞)となります。
【効能】
慢性に経過し、症状の激しくない次の諸症。腰痛・肩こり・神経痛・関節痛・リウマチ・月経痛・頭痛・冷え症・更年期障害・感冒・胃腸炎
桂枝加苓朮附湯(ケイシカリョウジュツブトウ)
【働き】
体をあたため、痛みを発散させる作用があります。具体的には、腰痛・肩こり・関節痛・神経痛・冷えによる痛み、手足のしびれやこわばりに適応します。冷え症で、体力のあまりない人に向く処方です。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。桂枝加朮附湯は、主薬の“桂枝(桂皮)”をはじめ、下記の8種類の生薬からなります。おだやかな発汗・発散作用のある“桂皮”、痛みをやわらげる“芍薬”、余分な水分を取り除く“茯苓”と“蒼朮”、体をあたため痛みをとる“附子”、緩和作用のある“甘草”などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
桂皮(ケイヒ)/芍薬(シャクヤク)/茯苓(ブクリョウ)/蒼朮(ソウジュツ)/附子(ブシ)/生姜(ショウキョウ)/大棗(タイソウ)/甘草(カンゾウ)
【特徴】
基本処方である桂枝湯に、“茯苓”と“蒼朮”、“附子”を加えた処方です。方剤名の由来もそこにあります。適応証(体質)は、虚証(虚弱)、寒証(冷え)、湿証(水分停滞)となります。
【効能】
腰痛・肩こり・関節痛・神経痛
六味丸(ロクミガン)
【働き】
体の弱った機能をおぎない元気をつけます。ことに、足腰や泌尿器など下半身の衰えに最適です。一般的に、体力の低下した中高年に用いることが多いです。ただし、冷えの強いときは不向きで、むしろ、のぼせ気味で暑がりの人に向きます。「臍下不仁」といって、オヘソから下の下腹部がフニャフニャと力がないことも使用目安です。具体的には、足腰の痛みやしびれ、腎機能低下にともなう夜間頻尿、性機能低下、乾燥肌のカユミや湿疹などに用います。また、そのような症状をともなう前立腺肥大症や糖尿病にも適応します。
【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。六味丸は、その名が示すよう、下記の6種類の生薬からなります。主薬の“地黄”には、貧血症状を改善し元気をつける作用があります。“山茱萸”や“山薬”にも滋養強壮作用があり、“地黄”の働きを高めます。“茯苓”と“沢瀉”は、水分循環をよくする生薬です。“牡丹皮”は漢方でいう「お血(おけつ)」を治す生薬で、血行障害を改善し血のめぐりをよくします。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
【成分】
地黄(ジオウ)/山茱萸(サンシュユ)/山薬(サンヤク)/茯苓(ブクリョウ)/沢瀉(タクシャ)/牡丹皮(ボタンピ)
【特徴】
高齢の人を中心によく用いられています。六味丸と通称されるほか、六味地黄丸または六味腎気丸と呼ばれることもあります。八味丸から温性の“桂皮”と“附子”をとり除いたもので、より熱証向けの方剤といえます。適応証(体質)は、虚証(虚弱)、熱証(暑がり)、臍下不仁(下腹部脱力)となります。
【効能】腰痛・肩こり・関節痛・むくみ
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